【特集】Google Buzzの概要と周縁サービス・ライブラリ・ソフトウェア

先週、Googleがソーシャルなサービスをリリースするという噂があり、その発表会が行われました。それがGoogle Buzzです。Gmailと連携し、メールとは違うメッセージングを可能にします。リリース前から言われていた通り、Twitterとの比較が盛んな同サービスですが、その特徴や使い方はあまり広まっていません。

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そこで今回はGoogle Buzzの紹介と類似サービスとの比較、将来性について書いてみたいと思います。


Google Buzzとは

Googleの開発した新しいソーシャルサービスです。Gmailと密接に連携しています。メールアドレスを指定するイメージでメッセージの送信先を指定できます。また、Buzzに投稿したメッセージは送信済みフォルダに入るようになっています。この点がメールと似て非なる部分です。フォロー/フォロワーがある点は、他のソーシャルサービスと同様で、Googleリーダーの共有アイテムや各種ブログフィードを取り込んで自分のBuzzに表示することができます。この時用いているのはソーシャルグラフによるデータです。

Google バズ

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 http://www.google.com/buzz

既存サービスとの連携

Googleは新しいサービスを公開する際にも、既存の自社サービスと連携していることが多いのですが、Google Buzzでもそれは変わりません。Googleプロフィール、Picasa、ソーシャルグラフ、Gmailなどのサービスが組み合わさって提供されています。

Google Buzzの本気度

一般的にこうした実験的サービスを提供する場合、Google Labsを使って公開し、反応を見て正式サービスに展開していました。ですがGoogle Buzzの場合は発表当初からGmailのラベルとして登場し、段階的ではありますがすぐに全ユーザが利用できるようになったようです。この点から見てGoogleはこのBuzzを普及させるのに本気で取り組むと思われます。他のGoogleサービスと連携する(Googleツールバー、Googleブックマーク、Googleドキュメントなど)機能を提供するのもほど遠くないと思われます。

基本的な使い方

もっともシンプルなのはメッセージ欄にもあるとおり“What you’re thinking.”をつぶやくことです。この時、リンクを付けたり、画像をアップロードできます。位置情報を送信することもできます。そしてつぶやかれた内容にはコメントをしたり、Like(Twitterで言う所のFavorite?)、メールで送信することができます。写真のアップロードは最初のつぶやきの時しかできません。コメントする際にも写真をアップロードする機能はありません。つぶやきを編集する機能はありますが、アップロードした写真を消したり、テキストを修正する機能のみとなっています。追加でアップロードすることはできません。そのため、編集はあまり多用できないかも知れません。

最近の話題

リリース直後から色々な話題が上がっています。特にプライバシー関係の話題が多いようです。

Google Buzz―勝手にメールアドレスを公開してしまうバグを修正

 http://jp.techcrunch.com/archives/20100213google-buzz-privacy-email/

Google Buzz―プライバシー上の懸念からオートフォローを中止

 http://jp.techcrunch.com/archives/20100213google-buzz-privacy-update/

グーグル、「Google Buzz」をさらに修正へ–「Gmail」から分離したバージョンも検討か:ニュース - CNET Japan

 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20408526,00.htm

全般的にGoogleのサービスはプライバシー問題を抱えることが多いのですが、今回は意外と素早く対応している印象があります。それだけ本気で取り組んでいるのかも知れません。

連携サービス

まだリリースされても間もないGoogle Buzzですが、すでに幾つかのサービスが登場しています。現状ではTwitterに関連したものが多いようです。

Buzz2Twitter-Sync your Google Buzz to Twitter

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 http://reader2twitter.appspot.com/buzz

Buzz2TwitterはGoogle Buzz上で書いた内容がTwitterにも反映されるという仕組みです。Pubsubhubbubを使っているので、反映は早いとされています。が、実際の所あまり早くない(30分程度?)ようです。

Tw2buzz - Import your twitter contacts to google buzz

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 http://tw2buzz.com/

Tw2buzzはTwitterのフォロー情報をインポートし、それをGoogleプロフィールを使ってGoogle Buzz上のアカウントに変換してコンタクトするというサービスです。フォロー/フォロワーをTwitterとGoogle Buzz上でやるのは二度手間なので、Google Buzzに移行しようと考えている方にとっては便利と言えそうです。

ソフトウェア

ソフトウェアも同様に登場してきています。やはりWebブラウザと連係して動作するものが多いようです。

Chrome Buzz

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https://chrome.google.com/extensions/detail/fmmaomnifgiheomcnmiginicjpkdngok?hl=ja

Google ChromeでGoogle Buzzの新着を受け取るのに便利なのがChrome Buzzです。投稿機能はありませんが、表示だけであればクリックのみでできます。その中から気になるスレッドがあればGoogleプロフィールを表示できます。そこでコメントを行うと言った流れになります。

Buzz it!

https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/75917

Buzz it!はFirefoxアドオンとして動作します。面白いのはインストール後、キーボードショートカット(Windowsキー+Alt+/)のみで動作し、buzz@gmail.comというアドレスにメールを送る点です。このアドレスにGmailアカウントからメールを送るとBuzzに投稿されるようになっています。この仕組みを使ったGoogle Buzz投稿ツールです。

Google Buzz Desktop

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http://www.avenidanet.com/2010/02/google-buzz-desktop/

Adobe AIR製です。ユーザエージェントをiPhone(またはAndroid)としてアクセスすることでシンプルなGoogle Buzz用の画面を表示しています。プロフィール画像が表示されないと言った問題はありますが、投稿機能はきちんと動作します。なおiPhone向けの画面を表示しているだけなので、Google Buzz以外(GmailやWeb検索も)も使えます。

ライブラリ

まだリリースして1週間程度だと言うのにすでにライブラリが多数出てきています。こうしたライブラリを活用すればマッシュアップを作ることもさほど難しくなさそうです。

RBuzz

Ruby製です。ユーザ情報を元にBuzzのエントリーを個別に取り出せます。URLや画像、動画、コメントは個別に取得することが可能です。

conorh’s rbuzz at master - GitHub

 http://github.com/conorh/rbuzz

Google buzz Kohana module

KohanaというのはPHP用のフレームワークです。そのKohanaと組み合わせて使えるGoogle Buzzライブラリです。

sydlawrence’s Google-Buzz-Kohana-Module at master - GitHub

 http://github.com/sydlawrence/Google-Buzz-Kohana-Module

Buzzbee

jQuery製です。つまり自分のWebサイトのサイドバーにGoogle Buzzのアップデートを掲載したりすることができます。類似のサイドバーガジェットはTwitterやFriendFeedでは用意されていますが、同じような表示がGoogle Buzzでもできるようになります。

pufuwozu’s buzzbee at master - GitHub

ピクチャ 406.png

 http://github.com/pufuwozu/buzzbee

こちらもjQueryを使ってサイドバー表示を行うガジェットです。

google-buzz-widget - Project Hosting on Google Code

 http://code.google.com/p/google-buzz-widget/

Bztwt

Python製です。Google BuzzのエントリーをTwitterにつぶやくのが目的のようです。まだ開発中なので、動作しているサンプルはありません。

optedoblivion’s bztwt at master - GitHub

 http://github.com/optedoblivion/bztwt

Google Buzz Twitter Bot

Google Buzz Twitter BotもまたPythonです。こちらはGoogle Buzzの内容をTwitterに投稿しつつ、Bit.lyを使ってBuzzのパーマネントURLを付けるようになっています。クロスポストというよりもGoogle Buzzを更新するとTwitter上でお知らせするボットのようなシステムです。

google-buzz-twitter-bot - Project Hosting on Google Code

 http://code.google.com/p/google-buzz-twitter-bot/

Web API

Googleのサービスと言えばWeb APIが公開されていることが大きなメリットになっています。オープンにすることによって、データの連係を可能にしたり新しいマッシュアップが生まれる可能性ができます。Google Buzz APIでは以下のようなデータが取得できます。

  • アクティビティストリーム
  • Atom/RSS
  • ソーシャルグラフ

恐らく最もシンプルに思いつくのはTwitterクライアントのGoogle Buzz版ではないでしょうか。ただしFavoriteに相当するLike機能や@などの機能が大きく異なるのでそのままの移行は難しいかも知れません。ただメッセージをクロスポストする機能であれば近い内に登場すると思われます。

Google Buzz API - Google Code

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 http://code.google.com/intl/ja/apis/buzz/

類似サービスとの相違

Twitter

やはりよく言われるのはTwitterとの類似性です。Google Buzzは140文字に限定されずにメッセージを送信できますが“今、何を考えていますか?”で代表される通り、あまり長文を求めていません。またインタフェースもTwitterに似ているため、短くしなければという心理的制限が加わっています。Twitterの場合、ユーザ間のメッセージはどうあれタイムラインは常に時系列に沿って流れていきます。そのためぱっと見ただけではどの意見に対して反応しているのか分かりづらくなっています。対してGoogle Buzzの場合はスレッド単位になっているので対話の進み具合は追いやすくなっています。またその特徴からかTwitterの場合は単発の意見が多いのですが、Google Buzzの場合は対話が多いように見受けられます。

FriendFeed

個人的にはTwitterよりもFriendFeedの方が似ているように感じます。Google BuzzもFriendFeed同様に外部サービスのデータを取り込んで表示できるようになっています。TwitterのつぶやきもGoogle Buzzに取り込んで表示させられます(その反映が30分くらいかかるのが難点ですが)。外部のフィードや独自のつぶやきに対してコメントが付けられるのもFriendFeedに似ています。Twitterはテキストのみですが、Google BuzzやFriendFeedの場合は画像や動画を貼付けることも可能です。

Google Wave

そしてGoogleの開発するGoogle WaveとGoogle Buzzもまたよく似ています。どちらもコミュニケーションサービスであり、メッセージをやりとりします。Google Waveはメールシステムを再定義したものであるとし、Google BuzzはGmailと溶け込んでいます。Googleは発表の際に、Google Waveは未来ならばGoogle Buzzは現在であると説明しました。Google Waveはまだ実験的な要素が強く、プラットフォームを提供している中でユーザがどのような使い方をしていくかが問われている状況です。対してGoogle BuzzはTwitterやFriendFeedの中ですでに培われているメッセージ、コミュニケーション、ソーシャル性をすでに多数のユーザが使っているGmail上に展開しています。それが両者の大きな違いです。技術的に見るとGoogle Waveはリアルタイムに編集内容を知れますが、Google Buzzではそのような機能がありません。また、ウィジェットを追加する機能はGoogle Buzzにはありません。ただし自分宛のメッセージ(コメントなど)が来た時にGoogle BuzzはGmailに届くようになっているので、Google Waveが不得意としている通知機能を現実的な解決に導いているとも言えます。

Google Talk

Gmail上で知人とできる対話サービスとしてGoogle Talkがあります。Jabberと接続できるのでGmailユーザに限らず他のチャットサービス、チャットクライアントと会話できるのが利点です。違いとしてはGoogle Talkでの会話が知人との共有だけで終わるのに対して、Google Buzzはパブリックであるということです。また意味のある会話を行うチャットに対して、自分のステータスをアップロードするという意味のない会話も行えます。なおGoogle Buzzでは指定したグループにのみメッセージを投げることもできるので、グループチャットのように使うこともできます。

今後の展開について

Googleの他のサービスとの連携はもちろんのこと、GoogleではGoogle Apps(企業向けGoogleサービス)向けにも提供していく予定があるとのことです。つまり企業向けのメッセージ授受ツールとしての役割を担っていこう(Yammerのような)という考えです。ナレッジの蓄積基盤としては実用性が高いと考えられます。

Twitterとの棲み分けについては、Twitterがタイムラインベースなのに対してGoogle Buzzがスレッドベースということもあって徐々に利用法が異なってくるのではないかと考えられます。現状のシンプルさのままいけば良いのですが、もし機能を追加したり利便性が高まっていった場合は、Google Waveとの棲み分けが難しくなるかも知れません。

なおGoogleはソーシャルサービスを開発するのがとても下手で、成功例がありません。ソーシャルサービスの場合、ユーザの気持ちよさやちょっとした使い勝手、見せ方が流行るか否かの違いになってきます。その意味で機能しか提供しないGoogleの手法ではユーザがどうすれば良いか考える必要があり、盛り上がっていくための仕組みに乏しいのが実情です。また一般的にはTwitterとの相違点ばかり注目が集まっています。そのため、放置期間があるとあっという間に廃れてしまう可能性も十分考えられます。

まとめ

Google Buzzはメールともインスタントメッセンジャーとも違う、それでいて中間のような面白さのあるサービスです。Web APIも公開されており、すでに多数の開発者によってライブラリも開発されています。それだけにキラーコンテンツ、キラーアプリケーションの登場が待たれるサービスです。個人的な感覚としては、個人ユースよりも企業ユースの方が需要はあるのではないかと考えています。類似サービスであげた通り、同じような機能を提供するサービスをGoogleはすでに幾つも抱えています。そうしたサービスとは一線を画す使い方が提案できるかどうかによってGoogle Buzzの価値が変わってきそうです(そこがGoogleの苦手とする所なのですが)。

1 comment so far

  1. ブルマン 2月 17, 2010 14:38:00

    見事なまとめです。助かります。

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