ウィジェットを知りサービスの拡大を目指す

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ウィジェットまたはガジェットという言葉が出てきたのはMac OSXのDashboardあたりが最初と思われます。WikipediaによればWindows95〜XPで実装されたActive Desktopが最初とされていますが、単なるHTML(またはWebサイト)の表示だけでなく、よりアプリケーションとして使えるレベルになったのはDashboardからではないでしょうか。その頃はローカルにインターネットコンテンツを載せるための技術、またはミニアプリケーション実装として使われてきましたが、今ではオンライン上に配置するウィジェット(mixiアプリなど)もよく使われるようになっています。

ウィジェットまたはガジェットを単なるアプリケーションフレームワークとして考えると機会損失です。Webサイトが無数に存在し、よりユーザとの接点が求められる中でウィジェットは常駐型であり、ユーザのマインドウェアを広げるのに必須になるはずです。

ウィジェットの種類

ウィジェットと一口でいっても幾つかの分類ができます。ここでは以下の5つに分けて説明をします。

  • ローカル型(PC)
  • ローカル型(モバイル)
  • インターネット型(個人向け)
  • インターネット型(ソーシャル型)
  • その他

ローカル型(PC)

ローカル型は最も初期のウィジェット環境であり、ローカルコンピュータ上で実装されます。そのため、インストールが完了すれば常駐型が一般的であり、ユーザに積極的に利用してもらうことが出来ます。このモデルの場合、OS標準で搭載されるものとウィジェット環境を別途提供するものとに分かれます。OS標準としてはMac OSXのDashboard、Windows95〜XPのActive Desktop、Windows Vista以降のWindowsサイドバーが挙げられます。OS標準で提供される分、数も多く様々なウィジェットが存在します。もう一つは別途アプリケーションをインストールして使えるウィジェットがあります。Yahoo!ウィジェット、Google デスクトップ ガジェットが知られています。なおYahoo!ウィジェットは元々はKonfabulatorというオープンソース・ソフトウェアがベースになっています(2005年に買収)。またMac OSXのDashboard(Tigerから実装)はこのKonfabulatorを真似したものだと開発者が訴えています。こうしたウィジェットの特徴として、それまでは各OSに依存していたプログラミング言語からHTML/JavaScript/CSSを使ったWebとの親和性が高い仕組みを採用したということが挙げられます。それによってごく簡単に誰でもウィジェットが作れるようになり、またインターネットと連携したりローカルのコマンドを使ってローカルとインターネットのリソースを活用した新しいソフトウェアが登場するきっかけとなりました。より小さなプラットフォームとしてはOperaが提供するOperaウィジェットが知られています。

ローカル型の場合は特にインターネット接続がなくとも使えるのがメリットになります。そのため計算機や時計、スライドショー、スティッキーズなど小さなアプリケーションも存在します。旧来Mac OSではアクセサリと呼ばれる小さなアプリケーション群が提供されていましたが、Mac OSXになってその大部分がウィジェット化されています。

ローカル型(モバイル)

PC型とは異なり、より環境が閉ざされているのがモバイル向けのウィジェットです。現状ではまだ広まっていませんが、ソフトバンクではモバイルウィジェット、auではau one ガジェットを提供しています。au one ガジェットはOperaウィジェットをauブランドで提供したサービスになりますが、2007年秋冬から提供開始し2010年3月末をもってポータルサイトのサービス停止が決まっています。ソフトバンクのモバイルウィジェット2008年冬からの開始ですが、アプリケーション数は現状500程度となっています。日本独自の仕様とあって、広まっていないのが実情のようです。Operaが提供するウィジェット同様に、日本の携帯電話向けWebブラウザ開発企業であるAccessもNetFront Widgetsというウィジェット環境を提供しています。ただしこちらもウィジェットの提供がAccess本体からがほとんどで、アプリケーションの数も60程度と伸び悩んでいるようです。

NetFront Widgets
http://widgets.access-company.com/jp/top.php
au one ガジェット | EZweb | au by KDDI
http://www.au.kddi.com/auone_gadget/

世界的に見るとJ2MEで動作するウィジェット環境が幾つか存在します。ovi、Webwagといったサービスが存在します。またNokiaではS60端末を対象としたWeb Runtime widgetsを提供しています。ただし日本市場からは撤退しているため、日本での知名度は今ひとつのようです。

Ovi Store
http://store.ovi.com/
Webwag Mobile - free mobile widgets download
http://www.webwag.com/mobile/
Forum Nokia - Web Runtime widgets
http://www.forum.nokia.com/Technology_Topics/Web_Technologies/Web_Runtime/

インターネット型(個人向け)

インターネット型はWebサイト上で提供されるウィジェットになります。その中でも特に個人向けとは個人が自分の使っているサービスを便利にするために使えるウィジェットフレームワークを指します。具体的にはiGoogleやNetvibesといったサービスになります。提供する機能はローカル型と似ていますが、データをローカルで保存することなくオンラインで保持できるのが特徴です。またアプリケーション自体もオンライン上に存在し、XML形式で提供されたり、JavaScript/CSS/HTMLを使って開発でいるようになっています。

個人向けの場合は、多数存在するオンラインサービスのデータを集約し、一元的に見られるようにするのが特徴です。メール、カレンダー、Todo、RSSリーダーと言ったデータをダッシュボードで見られるようにしたり、息抜きの小さなゲームを配置して遊んだりできます。ウィジェットは固定されたデザインで提供されることが多く、あまり柔軟性はありません。そのため開発者の自由度はそれほど高くなく、実用面が強調されるようになります。

iGoogle
http://www.google.com/ig
Netvibes
http://www.netvibes.com/

インターネット型(ソーシャル型)

ソーシャル型のウィジェットは今最も注目が集まっているプラットフォームになります。Facebookアプリ、OpenSocialといったフレームワークがそれに当たります。日本でもGooやmixiなどがOpenSocialに対応して開発者とユーザ数を増やしています。特にmixiについては独自仕様(ここが日本的ですが)でモバイルにも対応したmixiアプリモバイルを提供しています。OpenSocial自体は世界的に共通な仕組みではありますが、機能は網羅的ではなく最低限なレベルになっているため、各社独自に拡張している現実があります。そのため、SNS同士で共通したアプリケーションが動作しないことも多々あり、個々のサービスに対してカスタマイズが発生することが多いようです。

ソーシャル型の特徴としては、アプリ自体は個人が使うものですが他人(SNSが一般的なので他人とは知り合いのことになります)に見せることを意識したものが多いことになります。例えばサンシャイン牧場のようなゲームも、自分の牧場を他人に見せることを意識させ、より活発に活動させる動力源になります。それ以外にもFacebookアプリで商品販売を行ったり、写真のスライドショーを提供するものもあります。これらはいずれも他人とのつながり(ソーシャル)を意識した仕組みです。

mixi Developer Center (ミクシィ デベロッパーセンター) » mixiアプリモバイル
http://developer.mixi.co.jp/appli/appli_mobile

その他

ウィジェットの仕組みはPC、モバイル以外でも広がっています。有名なものとしてはソニーのBRAVIAで提供されているアプリキャストがあります。BRAVIAの脇にアプリケーションを表示して占いや天気、音楽を楽しめると言ったものです。現状では55程度のアプリが登録されています。テレビのデータ(今何を見ているか)と連携できる訳ではないようで、テレビの脇に追加で天気情報、写真、ニュースを配信するものが一般的です。テレビならではの情報といった感じではないのが残念ではあります。

スクリーンショット(2010-01-05 15.29.12).png

液晶テレビ BRAVIA 〈ブラビア〉 | ソニー
http://www.sony.jp/bravia/technology/applicast/index.html

ChumbyはLinuxベースのガジェットで、WiFiを使ってインターネットに接続できます。そしてウィジェットを通じて機能を追加したり外部コンテンツを表示できるようになっています。パソコンを使わない、キオスク的な存在ですぐにインターネットにアクセスし、ニュースやコンテンツを得られるのが便利です。アメリカが本家とあってウィジェットの数も豊富で、楽しめる筐体になっています。動画も見られるようです。

スクリーンショット(2010-01-05 15.29.32).png

chumby(チャンビー) 日本公式サイト | 株式会社ジークス
http://www.chumby.jp/

サービス提供側としての使い方

ウィジェットを提供し、ユーザにインストールしてもらえればサービスにアクセスしてこなくとも情報発信ができるようになります。ブログをはじめとするコンテンツ系サイトであればRSSフィードを通じて発信することもできますが、タスク管理やカレンダーのような実用性の高いサービスの場合は難しくなります。その時にウィジェットを提供できればユーザとの接点を増やせることになりますので、よりオープンなユーザの囲い込みにつなげられるようになります。最も顕著な例としてはRemember the Milkがあります。このサービスは殆どのプラットフォームにおいてウィジェットを提供しています。それによってユーザとの接点を増やし、ともすると疎遠になりがちなサービスからユーザを逃さない仕組みを作り上げています。

その他、RSSフィードのように情報収集力が強くないユーザに対して、専用の情報発信をする上でも役立ちます。例えばニュース系配信ウィジェットの場合、RSSでは他のコンテンツに埋もれてしまいますが、ウィジェットであれば枠も独自ブランドで提供できるのでユーザの視認性をあげられるようになります。

ゲームについてはいずれの環境でも有効です。ただしソーシャル系のウィジェットであれば、他のユーザに見られることを意識して作る必要があります。それ以外の場合はHTML/JavaScript/CSSを使ってできるレベル、またはFlashを使ったリッチなアプリケーションを開発できるはずです。シンプルで片手間でできるレベルのゲームがうけるようです。

まとめ

ウィジェットはプロの開発者でなくとも参入できる、敷居の低いプラットフォームになっています。むしろ開発者が不得意とするデザインやアイコンを上手に配置すれば、ウケのいいウィジェットが開発できるはずです。一つのプラットフォームで動くものができれば、他のプラットフォームに転用するのもさほど難しくありません。そうした特性を活かせば企業であっても自社サービスをさらに認知度を上げるためにmixiアプリを作ったり、iGoogle上で動作するようにしたりする戦略も選びやすくなるのではないでしょうか。海外では特にFacebookアプリを通じたサービス認知度向上は広く行われるようになっています。mixiはモバイルに傾倒しつつあったのがmixiアプリによってPCのシェアも回復しつつありますので、ターゲットとしては面白いのではないでしょうか。

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